近年、地震や台風などの自然災害によって施設などに被害を受け、学校給食の実施が困難になるような事態が発生しています。また、被災後には、平常の学校生活を営む上で、給食の提供が重要な要件となることが判明しています。学校給食は、被災した児童生徒が日常の学校生活を取り戻すキッカケになるため、その早期再開が大切になるというわけです。文部科学省が令和2年(2020年)に実施したアンケート調査によれば、その時点で災害時に備えた体制を整備している自治体は全体の3割程度でしたが、「直近の被災と体制構築の状況について聴取した結果、事前に体制を備えていた自治体の方が、給食提供できなくなるほどの影響が出た割合は低く、復旧までの期間も比較的早い傾向にあることが分かった」ということです。構築していた体制の中で災害時に特に役立ったものとして、第1位は「非常食の備蓄」(42.4%)で、第2位が「給食施設の耐震化」(40.9%)となっており、この2つが他より郡を抜いて高くなっています。(構築していた体制が「うまく機能した」と答えた自治体のみ。複数回答可)また、被災を経験した自治体が事前にしておくと良かったと思う取組についての回答では、「ガイドライン・マニュアルの策定」が第1位で42.2%。次いで「備蓄品・消耗品(ラップなど)の確保」が第2位で39.3%となっており、第3位の「施設設備の整備」(23.6%)を大きく引き離しています。これは、体制の構築において、必ずしも予算や時間のかかる施設などのハード面だけを重視するのではなく、比較的すぐに着手可能なマニュアル作成などのソフト面の整備が役立つということを示した結果となっています。