学校給食法の規定に基づいて定められている「学校給食摂取基準」が一部改正され、令和3年4月1日から施行されています。学校給食摂取基準とは、昼食である学校給食において、健康の増進や食育の推進を図るために望ましい栄養量を算出するもので、今回の改正では、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」(2020年版)」を元に、同じく厚生労働省の研究事業として行われた「食事状況調査」の結果を踏まえて算出されています。ただし、その数値はあくまで児童・生徒の1人1食当たりの全国的な平均値であり、個々の児童・生徒の健康状態や生活環境などの実態、地域の実情などに十分配慮して、弾力的に運用していく必要があります。例えばカルシウムについては、「食事状況」の結果から、学校給食のない日には、カルシウム不足になる傾向があることで、特に家庭の食事においてカルシウム不足が指摘されているような地域においては、給食で少しでも不足分を補えるよう食材などを工夫する必要があります。学校給食では通常、食事摂取基準の一日のおよそ1/3を摂取できる内容としていますが、上記のような地域では、食事摂取基準のカルシウム推奨量の1/2を摂取できるようにするなどの対応が求められています。また、改正時の文科省通知においては、学校給食の内容の充実についても触れられています。そこで注目すべきは、食材に「地場産物」を使用することや、献立に「郷土に伝わる料理」を積極的に取り入れるという内容。それによって、学校における食育を推進するとともに、児童・生徒の地域に対する学びにつながっていくことが期待されています。