食に関する記念日が増えている中で、6月6日は「ロールケーキの日」として日本記念日協会に認定されています。「ロールケーキの日」の制定は、福岡県北九州市小倉地域の方々が「ロールケーキで町興しをしよう」と、取り組みました。実は、九州には長崎~小倉間に「シューガーロード」と呼ばれる道、長崎街道があるのです。江戸時代、鎖国のもとで長崎は出島に荷揚げされた貴重品の砂糖は、長崎から佐賀へと長崎街道を通って小倉に集まり、さらに、京都や東京へと運ばれていました。このため、街道沿いでは長崎の「カステラ」、佐賀の「ぼうろ」をはじめとする菓子作りが発達しました。この「シュガーロード」が通る小倉では、古くからロールケーキが愛されてきた伝統があり、ロールケーキを扱う洋菓子店も多かったことから、記念日を制定して新しく小倉の名物菓子としよう、と取り組んだそうです。「ロールケーキの日」の日付は、ロールケーキの「ロ(6)」と、6の字がロールケーキの断面がくるくる巻いているイメージに似ていることから、6月6日になりました。巻かれた食品は、縁起が良く日本人が喜ぶ食品でもあります。例えば、「のの字」に巻かれたおせちの伊達巻は、昔の書物の「巻物」に似ていることから、学業成就の願いが込められています。巻物は、古い時代には勉強の際に用いられる書物でもあったことから知性を連想させ、この縁起を担いで、のの字に巻かれた伊達巻を食べるのです。学業成就の意味もある「のの字」巻きの「ロールケーキ」は、まさに学校給食にぴったりのデザートと言えるでしょう。ちなみに、巻いた形状を表す数字の9を取り上げて、9月9日は、「秋のロールケーキの日」でもあります。