東南アジアは、南シナ海を取り囲むとうに広がる地域で、インドシナ半島、マレー半島、インドネシア諸島、フィリピン諸島により構成されています。これらの地域でもっともよく知られた料理のひとつに、タイの「トムヤムクン」があります。トムヤムクンはご存知の通り、世界3大スープに数えられており、トムは煮る、ヤムは混ぜる、クンはエビという意味があります。エビの風味が効いた酸味のある辛い味付けのスープですが、これを飲んで汗をかくと、スーッと暑さを忘れられるという人も多いようです。この地域は米を主食にしている国々が多いにもかかわらず、パンを使った料理もあります。ベトナムの「バインミー」です。フランスの植民地時代に生まれたベトナム版サンドイッチで、フランスパンに鶏肉のパテを塗り、ダイコンやニンジンの酢漬けなどの野菜を挟んだものが一般的。バインミーとはパンを意味するベトナム語です。もちろん米を使った料理も数多くあります。中でも、インドネシアやマレーシアで食べられている「ナシゴレン」は、日本人の口にもよく合う料理です。「ナシ」はご飯、「ゴレン」は揚げる・炒めるという意味があり、日本で言うところの焼き飯やチャーハンにあたります。違いは、この地方独特の辛味調味料やエビを発酵させたペーストなどを加えた味付け。半熟の目玉焼きが添えてあるため、混ぜ合わせて食べると辛味も抑えられて食べやすくなります。この地域には日本の料理と似たものがありますが、そのひとつが「サテ」または「サテー」と呼ばれる焼き鳥です。竹串に刺した見た目は焼き鳥そのものですが、肉は全体的にに小ぶりで、鶏肉の他、牛肉などを使う場合もあります。タレに漬け込んで焼くというのも似ていますが、香辛料などを加えた複雑な味付けのタレや、最後にピーナッツソースをかける食べ方もあるなど、独特の味わいが特徴的です。